みなさんは食中毒と聞くと何をイメージしますか?

こんにちは。薬剤部です。
最近はどのテレビを見ても新型コロナウィルスばかりに注目が集まっていますが、暑くなってきた今は食中毒(細菌性)にも注意が必要です。
みなさんは食中毒と聞くと何をイメージしますか?
恐らくO157やサルモネラ菌、この2つがすぐに思いつくかなと思います。
(ノロウィルスはウィルス性食中毒でかつ冬に多いため除外します。)
しかし、1年を通じて1番件数が多く、また1番患者数が多いのは『カンピロバクター』と呼ばれる細菌です。
ではこのカンピロバクター、一体どのような菌なのでしょうか。
以下にその特徴を簡単に記します。
所在:牛、豚、鶏などの家畜や、犬、猫などのペットの腸管内。
原因食品:糞便で汚染された食肉(特に鶏肉)。
症状:下痢、発熱、腹痛、頭痛。
潜伏期間:2~7日。
予防:加熱調理(食品の中心温度75℃、1分間の加熱で死滅)
その他:低温に強いため冷蔵庫内でも長期間生存可能。
感染1~3週間後にギランバレー症候群を発症することがあります。

補足になりますが、潜伏期間を見てください。
2~7日って長いと思いませんか?
ほかの食中毒も同じくらい長いかというとそうではありません。
黄色ブドウ球菌は平均3時間、ボツリヌス菌は8~36時間と短いものがあります。
ではなぜこんなにも差があるのでしょうか。
それは食中毒になるまでの過程です。
カンピロバクターは食品と一緒に摂取し、その菌が増殖したのちに腸組織に侵入し発症します。すなわち、発症するのに必要な菌数を増殖するまでに時間がかかるため長い潜伏期間になります。
また、黄色ブドウ球菌とボツリヌス菌は食品中で菌が増殖する際につくられる毒素を食品と一緒に摂取し、腸管で吸収され発症します。すなわち、最初から発症するのに十分な毒素が作られた状態の食品を摂取するため、非常に短い潜伏期間になります。

また、黄色ブドウ球菌の毒素は耐熱性で100℃、30分の加熱でも無毒化できないため汚染された食品は廃棄する必要があります。加熱すればOK、熱湯かければOKという安易な考えでいるとどこかで食中毒を発症するかもしれません。
今からの時期は気温が暑くなり食品が腐りやすい時期でもあります。
新型コロナウィルスの予防はもちろんですが、食中毒の予防も十分行いましょう。

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