アルコール依存症の飲酒量低減を目標にした際に使われるセリンクロ錠について

こんにちは。
薬剤部の穐山です。

今回はまたまたアルコール依存症の治療薬関連になります。
『アルコール依存症の飲酒量低減を目標にした際に使われるセリンクロ錠について』です。
結論から言うとこのお薬はお酒の飲酒欲求を抑える薬剤になります。

レグテクト錠でも同じ結論を書きましたが、作用機序以外での2剤の違いはレグテクト錠は断酒の補助ですがセリンクロ錠は節酒の補助になります。
もっと言うと、レグテクト錠を服用する場合は治療目標が断酒のため飲酒は不可ですが、セリンクロ錠を服用する場合の治療目標は飲酒量低減のため飲酒は可能になります。
これが断酒の補助と節酒の補助の違いになります。

さて、ここからがセリンクロ錠の簡単な説明になります。
まず、アルコールを摂取すると多幸感といわれる『快』と嫌悪感といわれる『不快』があらわれます。『快』が強くなると同時に『不快』も強くなり、その『不快』を打ち消すための『快』を得るために飲酒をするという悪循環の結果アルコール依存症となります。
セリンクロ錠は飲酒による『快』と『不快』を抑制させ、さらにドパミンと呼ばれる物質を放出させさらに『不快』を軽減させます。ようは『快』だけ少し残っている状態にし、別にお酒を飲まなくてもいいかなという状況を作り出すわけです。
服用タイミングは飲酒をする1~2時間前となっています。
ただし、服用を忘れ飲酒をした場合は気づいた時点で服用し、飲酒終了後に気づいた場合は服用しないという注意があります。

次回は意外と説明できないアルコール依存症の状態やアルコール摂取を止めた際に生じる離脱症状について簡単に説明します。

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