こんにちは。薬剤部の穐山です。
今回は『ギャンブル依存症とはなんぞや。』についてお話していきます。
~ギャンブル依存~
それは皆さんが想像している通りギャンブルをやめたくてもやめられない状態です。
これは当然ですよね。
前回依存症になる流れを説明したようにギャンブル依存症もまた例外ではありません。
(アメリカ精神医学会ではギャンブル障害という名称ですがそこはお気になさらず。)
質問ですが、ギャンブル依存症の診断基準には何があると思いますか?
実は項目数にして9項目もあります。
もちろん私も知らなったのでそんなにあるのかと驚きました。
以下に簡単に示します。
①興奮を得たいから掛け金を増やす
②ギャンブルの回数を減らすと落ち着かない
③ギャンブルの回数を減らしたり、やめようとしても成功しない
④ギャンブルにとらわれている
⑤ギャンブルによる問題や不快な気分をギャンブルで解消しようとする
⑥ギャンブルにより負けた金額をギャンブルで取り返そうとする
⑦ギャンブルをしている事実や借金などを隠すために嘘をつく
⑧ギャンブルのせいで人間関係などを失った。
⑨ギャンブルによる破産の危機を逃れるために借金をしようとする
※ギャンブル依存症の初期から末期まで④と⑥は持続するといわれています。
では一体、ギャンブル依存症の何が問題なのか。
それは『繰り返す債務による経済的な破綻』これが主な問題です。
加えてお金に関する嘘や家族間のトラブル(家庭内窃盗)も問題になりますし、債務による不安が持続して動悸やパニックなどの症状が起きかねません。
また仕事→睡眠→ギャンブル→仕事→睡眠→ギャンブルと単調な生活パターンにより他者との交流が激減し、孤立傾向となり最終的にうつ状態になる可能性もあります。
以上が第7回『ギャンブル依存症とはなんぞや』のお話になります。
ギャンブル依存症の治療で適応薬というのはありません。
治療の前にまずギャンブラーとしてのプライドを配慮しつつ受診に結びつけるための対策をする必要があります。
そこから病院で医師による診察が始まります。
次回は第8回『薬物依存』についてお話します。